人間が生まれてから色々な歴史があるように、さまざまな争いや飢饉が文化や医学を変え、さらに科学が発達し日常がどんどん変わってきたように、まさに今生きているこの瞬間もまた世界の常識は大きく変わろうとしています。
それでも明けない夜はないように、朝はいつでもやってきて、季節も変わり草花が芽吹き春がやってきました。世界中の人々が生きるか死ぬかで揺れている最中でも変わらないものがある。まるで厳しい冬の乗り越え方を教えられているようです。
人間は遥か昔から心の中にアートがあり、心を潤す音楽があり、心に花がありました。そのおかげで人々の心は豊かになり、人を助けたり思いやる余裕が生まれます。人の心を豊かにするものは、医学や科学の力のように目に見えるかたちで人の命を助けたりはできないかもしれません。けれども今日のように目に見えない不安と恐怖に怯え、生きるか死ぬかその二つの選択肢だけでは、人間はおかしくなってしまうでしょう。
今、心の栄養を沢山取ることは、今を生きて未来を作るためにとても大切なことだと、私は絵を描きながらそう思います。
今こそ想像力を育て、心に花を咲かせてください。
世界中の人々が健康で、一日も早く笑顔でハグができる日が来ますように。
近藤亜樹 2020年4月