
小林正人個展「Starry Paint, stars of outer space by pure painting」テンスタ・クンストハーレ(スウェーデン)にて, 2004 – 2005
小林正人個展「Starry Paint, stars of outer space by pure painting」テンスタ・クンストハーレ(スウェーデン)にて, 2004 – 2005
“荒野の星”っていうのは人が見ていても見てなくても光ってる星のたとえさ。—小林正人
展覧会について
このたびシュウゴアーツは、小林正人「荒野の星」を開催いたします。本展では、小林の三部作の自伝小説『この星の絵の具』を締めくくる下巻の刊行を記念するとともに、最新作を披露します。
『この星の絵の具』は、画業40年を超えた小林正人の絵画の冒険が綴られています。小林は青年期に絵と出会い、東京・国立での制作時期を経て、伝説的キュレーター、ヤン・フートに見出されてベルギー・ゲントへ渡ります。ゲントを拠点にヨーロッパ各地で現地制作を行うなかで、出会いや挫折、探究を重ね、小林は独自の絵画を切りひらいていきます。三部作の最終巻となる下巻では、制作空間を公開したスウェーデンのテンスタ・クンストハーレでの展覧会を軸に物語が展開します。過去と帰国後の未来を行き来しながら、周囲の人々との対話や、対峙、時にハプニングを通して、絵画世界が語られます。
小林は、キャンバスを木枠に張りながら手で描く独自の手法で、絵画とその構造が一体となった作品を制作してきました。
本展では、2.6メートルを超える「画家とモデル」と、展覧会名ともなった「荒野の星」の大作2点を中心に披露いたします。
国立、ゲント、鞆の浦と、拠点を移しながら、小林はその場所、その一瞬でしか生まれ得ない絵画を発表し続けてきました。あらゆる必然により立ち上がるその絵画は、均衡にわずかなずれが生じれば生まれ得ません。小林の絵画は「荒野」のただなかで、フレームを超えてどこまでも広がり、輝きを放ちます。
是非会場で最新作をご体感いただき、小説とともに小林正人の歩みを味わっていただけましたら幸いです。
2026年3月シュウゴアーツ

『この星の絵の具[下]新世界』4月下旬発売
ゲントに恋人シズカがやってきて、「新世界」が始まった。目まぐるしく画を取り巻く時空間が変わっていくなか、小林はスウェーデンでの個展の誘いを受ける。それは、美術館の空間での制作を初めから全てオープンにし、アーティスト名も知らせず、展覧会というもの自体を問う試みであった。キュレーター陣との対話や対立、移民の子達との交流、空間に紛れ込む他者による作品の破壊、そして絶望……。展覧会の最終日、小林は作品に重要な決断をすることとなる。
小林の絵画の冒険は終わらない。“願い”がカタチになる「この星」の謎と神秘。天からの贈り物を授かり、これまでの物語全てがひとつに繋がっていく。
「アーティストの中のアーティスト(Artist’s artist)」と称される小林正人。その美学と哲学が散りばめたれたビルドゥングスロマン3部作感動の最終章。
著者:小林正人
ページ:196頁
製本:ソフトカバー
サイズ:文庫判
デザイン:木村稔将
言語:日本語
ISBN:978-4-908122-34-7
発行:アートダイバー
定価:本体1,700円+税
展覧会情報
2026年4月18日(土) −5月30日(土)
シュウゴアーツ
11:00-18:00(日月祝休廊)
4月18日(土)17:00-19:00 *作家在廊
1957年東京生まれ。1996年サンパウロビエンナーレ日本代表。1997年ヤン・フート氏に招かれ渡欧、以降ベルギー・ゲント市を拠点に各地で現地制作を行う。2006年に帰国、福山市・鞆の浦を拠点に活動。2017–2023年東京藝術大学教授。「存在することで少しも失墜しない絵画」を目指し、カンヴァスの布地を支えながら擦り込むようにして色を載せ、同時に木枠に張りながら絵画を立ち上げていくという独自の手法を編み出した。その状況でしか生まれ得ない作品形態と独自の明るさをもつ絵画の光を生み出し続けている。
主な展覧会に「自由について」シュウゴアーツ(東京、2023)、「ART TODAY 2012 弁明の絵画と小林正人」セゾン現代美術館(長野、2012)、「この星の絵の具」高梁市成羽美術館(岡山、2009)、「STARRY PAINT」テンスタ・クンストハーレ(スウェーデン、2004)、「ティラナ・ビエンナーレ:U-Topos」ティラナ国⽴美術館(アルバニア、2003)、「A Son of Painting」S.M.A.K(ゲント、2001)、「A CASA DI…(…の家へ)」ミケランジェロ・ピストレットファウンデーション(ビエラ、イタリア、2000)、「Over the Edges」S.M.A.K. (ゲント、2000)、「小林正人展」宮城県美術館(宮城、2000)、「絵画の⼦」佐⾕画廊(東京、1992)など。
主な著作に『小林正人 MK』(HeHe、2024)、『この星の絵の具[中]ダーフハース通り52』(アートダイバー、2020)、『この星の絵の具[上]⼀橋⼤学の⽊の下で』(アートダイバー、2018)など。
主なパプリックコレクションに、東京国⽴近代美術館(東京)、東京都現代美術館(東京)、S.M.A.K. /ゲント市⽴現代美術館(ゲント)、宮城県美術館(宮城)、宇都宮美術館(栃木)、セゾン現代美術館(軽井沢)、いわき市立美術館(福島)、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)など。