シュウゴアーツショー
展覧会について
シュウゴアーツは2021年6月26日(土)から7月31日(土)まで、藤本由紀夫、小林正人、近藤亜樹、丸山直文、アンジュ・ミケーレ、三嶋りつ惠、髙畠依子によるグループ展「シュウゴアーツショー」を開催いたします。
本展で初披露するアンジュ・ミケーレの新作「Ray」は、今年アンジュが進めてきたイタリアのファッション・ブランド、ロロ・ピアーナとの取り組みである新作スカーフのために描き下ろされました。同シリーズの作品1点が原画となったロロ・ピアーナの新作限定スカーフがこの7月に発売となります。
このほか、昨年40年間に及ぶアーティスト活動の足跡を「音」をテーマとしたオンラインショーに仕立てた藤本由紀夫に加え、今年9月にシュウゴアーツでの個展を控える小林正人、初めての作品集「ここにあるしあわせ」が好評を博し11月に山形美術館での個展を予定する近藤亜樹、丸山直文、髙畠依子らペインターの作品、および三嶋りつ惠のガラスの彫刻作品から選りすぐって展示いたします。小林正人のペインティング作品、近藤亜樹のドローイング作品など、今回ギャラリーでは初公開となる作品が含まれます。どうぞご無理のない範囲でお運びいただきご高覧いただければ幸いです。
2021年6月 シュウゴアーツ

アンジュ・ミケーレ, Ray , 2021, acrylic on Japanese paper mounted on panel, 120x120cm

小林正人, 画家と光, 2007/2013, oil, acrylic, canvas, wood, 178x159cm

髙畠依子, 水浴、砂, 2020, キャンバス、油彩, 142x142cm

丸山直文, water in the sky, 2012-2013, acrylic on cotton, 181.8×227.3cm
1950年名古屋市生まれ、大阪市在住。大阪芸術大学で電子音楽を学び、エレクトロニクスを利用したパフォーマンス、インスタレーションを行う。80年代半ばに発表したサウンド・オブジェを皮切りに、アーティストとして独自の方向性を展開する。2001年、2007年にベネチア・ビエンナーレへ出品。作品を通じて聴覚や視覚に働きかけ、鑑賞者の認識を揺さぶり、知覚を拡張させる体験を創出し続けている。
主な個展に「BLOOM’S BROOM」シュウゴアーツ(2024)、「キュレトリアル・スタディズ12:泉/Fountain 1917-2017, Case 2: He CHOSE it. キュレーション:藤本由紀夫」京都国立近代美術館(2017)、「The Tower of Time」アイコンギャラリー(バーミンガム、2009)、「+/-」国立国際美術館(大阪、2007)、「関係」和歌山県立近代美術館(2007)、「美術館の遠足 1/10 – 10/10」(1997~2006)など。主なコレクションに 東京都現代美術館(東京)、国⽴国際美術館(⼤阪)、⻄宮市⼤⾕記念美術館(兵庫)、広島市現代美術館(広島)、兵庫県立美術館(兵庫)、原美術館 ARC(群馬)など。
1957年東京生まれ。1996年サンパウロビエンナーレ日本代表。1997年ヤン・フート氏に招かれ渡欧、以降ベルギー・ゲント市を拠点に各地で現地制作を行う。2006年に帰国、福山市・鞆の浦を拠点に活動。2017–2023年東京藝術大学教授。「存在することで少しも失墜しない絵画」を目指し、カンヴァスの布地を片手で支えながら擦り込むようにして色を載せ、同時に木枠に張りながら絵画を立ち上げていくという独自の手法を編み出した。 その状況でしか生まれ得ない作品形態と独自の明るさをもつ絵画を生み出し続けている。
主な個展に「自由について」シュウゴアーツ(東京、2023)、「この星の家族」シュウゴアーツ(東京、2021)、「画家とモデル」シュウゴアーツ(東京、2019)、「ART TODAY 2012 弁明の絵画と小林正人」セゾン現代美術館(長野、2012)、「この星の絵の具」高梁市成羽美術館(岡山、2009)、「STARRY PAINT」テンスタコンストハーレ(スウェーデン、2004)、「A Son of Painting」S.M.A.K(ゲント、2001)、「小林正人展」宮城県美術館(宮城、2000)など。主な著作に『小林正人 MK』(HeHe、2024)、『この星の絵の具[中]ダーフハース通り52』(アートダイバー、2020)、『この星の絵の具[上]⼀橋⼤学の⽊の下で』(アートダイバー、2018)。主なコレクションに、いわき市立美術館(福島)、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)、宇都宮美術館(栃木)、S.M.A.K. /ゲント市⽴現代美術館(ゲント)、東京国⽴近代美術館(東京)、東京都現代美術館(東京)、宮城県美術館(宮城)など。
1987年、北海道生まれ。山形県在住。近藤は力強い色彩と躍動感あふれる筆致であらゆる生命への希望や慈しみを描き続ける。「描くことは生きること」という近藤にとって、制作とは自らが見たい世界を描き出し、描くことで自己を認識するプロセスでもある。その創作はキャンバスやパネルにとどまらず、立体物や壁、天井といった空間全体にも自在に広がる。また、約14,000カットに及ぶ油彩アニメーションと実写を融合させた短編映画『HIKARI』では、脚本・監督・制作を手がけるなど、様々な表現活動で才能を発揮している。
主な展覧会に「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」水戸芸術館(茨城、2025)、「わたしはあなたに会いたかった」シュウゴアーツ(東京、2023)、国際芸術祭「あいち2022」(愛知、2022)、「星、光る」山形美術館(山形、2021)、作品集刊行記念展「ここにあるしあわせ」シュウゴアーツ/ フィリップス 東京/ 現代芸術振興財団(東京、2021)、「高松市美術館コレクション+ 身体とムービング」高松市美術館(香川、2020)、「心に花を」シュウゴアーツオンラインショー(2020)、「あの日を待つ 明日を待つ 今日」シュウゴアーツ(東京、2018)、「絵画の現在」府中市美術館(東京、2018)、「HIKARI」大和日英基金 大和ジャパンハウス(ロンドン、2016)、「HIKARI」シュウゴアーツ(東京、2015)、「近藤亜樹の生態」実家 JIKKA(東京、2013)、「PHANTOMS OF ASIA: Contemporary Awakens the Past」Asian Art Museum (サンフランシスコ、2012)など。2022年VOCA奨励賞受賞。
1964年新潟県生まれ、東京都在住。1990年代以降の日本の重要なペインターの一人として第一線で活躍を続ける。水を含んだ綿布にアクリル絵具を染み込ませて描くステイニング技法を用いた丸山の作品は、モチーフが柔らかく融解して時間も場所も判然とせず、具象でありながら抽象であり、主体/客体の境界も取り払われて、絵画と渾然一体となる境地へと見るものを誘う。丸山のこうした絵画表現は極めて理論的かつ誠実に、「絵画の内部にしか発生しない空間の可能性」の探究と実践によって作り出されている。2008年芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。武蔵野美術大学造形学部油絵学科特任教授。
主な展覧会に「HIRAKU Project Vol.14 丸山直文 水を蹴る―仙石原―」ポーラ美術館(神奈川、2023)、「水を蹴る」シュウゴアーツ(東京、2022)、「ラスコーと天気」シュウゴアーツ(東京、2018)、「流」ウソンギャラリー(大邱、2017)、「GROUND2 絵画を語る−⾒⽅を語る」武蔵野美術⼤学美術館図書館 (東京、2016)、「ニイガタ・クリエーション」(新潟、2014)、「浮舟」豊⽥市美術館 (愛知、2011)、「透明な足」シュウゴアーツ(東京、2010)、「丸山直文–後ろの正面」目黒区美術館 (東京、2008)、「ポートレート・セッション」広島市現代美術館(広島、2007)、「秘すれば花」森美術館(東京、2005)、「ハピネス:アートにみる幸福」森美術館(東京、2003)、「台北ビエンナーレ」台北私立美術館(台北、2002)、「MOTアニュアル」東京都現代美術館(東京、1999)、「第8回インドトリエンナーレ」(ニューデリー、1994)、佐谷画廊個展(東京、1992)など。
1989年ヴェネツィア生まれ。京都在住。 西陣織の材料となる銀や金のアルミ蒸着紙を支持体に使用し、光の変化にうつりゆく絵画を発表している。「行為から描きはじめている」という身振りからはじまる制作は、形容し難い有機的で軽やかなかたちとして表れ、普段、私たちが目にしている現実とはことなる世界があることを教えてくれる。そして外の音が聞こえづらいアンジュの身体は、豊かな感覚を育み、自由で恐れのない筆使いを見せてくれる。
主な展覧会に「空円」シュウゴアーツ(東京、2024)、「光の中へ」代官⼭T-SITE(東京、2023)「イマジナリウム」シュウゴアーツ (東京、2020)、「VOCA2020」上野の森美術館(東京、2020)、「ヨコハマトリエンナーレ」横浜美術館 (横浜、2014)、「自由について」TRAUMARIS (東京、2011)、「愛の過現未」HIGURE17-15cas (東京、2009)、「Infanzia」CUBE GALLERY(ヴェネツィア、2005)
1962年京都生まれ、1989年からヴェネツィアに移住、2011年より京都にも住まいを構え、二拠点を往復する生活を送る。ムラーノ島のガラス職人とのコラボレーションにより、ヴェネツィアン・ガラスの透明度や粘度を活かした、周囲に溶け込みながら光の輪郭を描き出す無色のガラス作品を制作する。空気や光を取り込んでその場のエネルギーを表現する作品は公共空間でのアートワークとしても評価が高く、近年では美術のみならず建築やファッション、デザインとジャンルを横断した活躍が続いている。2022年にヴェネツィア・国立アカデミア美術館で開催した個展「RITSUE MISHIMA ‒ GLASS WORKS」でThe Italian Glass Weeks ヴェネツィア部門の「最優秀プロジェクト賞・Fondazione di Venezia Award」を受賞。同年にBVLGARI AVRORA AWARDS 受賞。
主な個展に「祈りのかたち」シュウゴアーツ(東京、2023)、「RITSUE MISHIMA ‒ GLASS WORKS」国立アカデミア美術館(ヴェネツィア、2022)、「光の場」シュウゴアーツ(東京、2019-2020)、「IN GRIMANI」国立パラッツォ・グリマーニ美術館 (ヴェネツィア、2013)、 「あるべきようわ」資生堂ギャラリー (東京、2011)、「Frozen Garden / Fruits of Fire」ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン 美術館 (ロッテルダム、2010) 。
主なグループ展に「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」東京都庭園美術館(東京、2024)、「アジア回廊 現代美術展」二条城 (京都、2017)、「ヨコハマトリエンナーレ2014」横浜美術館(神奈川、2014)、「第 53 回ヴェネツィアビエンナーレ 」ヴェネツィア館 (ヴェネツィア、2009)など。
1982年福岡県生まれ、東京都在住。2015年アニ・アルバースの研究のためレジデンスを行う(コネチカット州・ジョセフ&アニ・アルバース財団)。髙畠は素材の物質的な現象を通して、絵画を平面的な捉え方から拡張させ、物理的な構造を持つ存在へと展開してきた。ラスコー洞窟壁画やナスカの地上絵などから世界の大きさを肌で感じつつ、素材との対話の中で生まれてくる作品は、イメージを描くことでは生まれることのない物質的空間を持ち、髙畠の手によって生成された作品である。
主な個展に「LINE(N)」シュウゴアーツ(東京、2024)、「CAVE」シュウゴアーツ(東京、2022)、「MARS」Gana Art Nineone(ソウル、2022)、「MARS」シュウゴアーツ(東京、2020)、「VENUS」Gana Art Hannam(ソウル、2019)、「泉」シュウゴアーツ(東京、2018)、「水浴」シュウゴアーツ ウィークエンドギャラリー(東京、2016)、「Project N 58 髙畠依子展」東京オペラシティアートギャラリー(東京、2014)。主なグループ展に「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」アーティゾン美術館(東京、2023)、「FUJI TEXTILE WEEK 2021」富士吉⽥中⼼市街地ほか(⼭梨、2021)、「TRICK-DIMENSION」TOKYO FRONT LINE(東京、2013)、「アートアワードトーキョー丸の内 2013」(東京、2013)、「DANDANS at No Man’s Land」旧フランス大使館(東京、2010)。主なコレクションにアーティゾン美術館。