シュウゴアーツショー
展覧会について
シュウゴアーツは2021年2月6日(土)から2月27日(土)まで、森村泰昌、小野祐次、米田知子の3名の写真のアーティストによるグループ展「シュウゴアーツショー」を開催いたします。
本展では森村泰昌が有名映画女優に扮する「女優シリーズ」のポラロイド作品から10数点を一挙にお見せするほか、絵画と写真の関係性を再提起する小野祐次の「タブロー」シリーズ、土地やものに遺された20世紀の歴史と記憶に迫る米田知子の「積雲」「After the Thaw」「Between Visible and Invisible」シリーズからのセレクションを中心に展示いたします。森村泰昌は今年10月よりアーティゾン美術館での展示が控え、また2021年3月からは京都市京セラ美術館 東山キューブでの個展を予定しております。小野祐次は今年4月よりシュウゴアーツにて「ルミネッソンス」シリーズを披露する待望の個展を予定、そして米田知子はいよいよ来月2月9日(火)よりスペイン・マドリッドのマフレ財団での個展がスタートと、いずれも本年大注目のアーティストです。ご無理のない範囲でお運びいただければ幸いです。
2021年1月 シュウゴアーツ

森村泰昌, ヴィヴィアン・リー風に, 1996, 拡散転写方式印画, 13.1×10.2cm

森村泰昌, 神戸のガルボ , 1995, 拡散転写方式印画, 13.1×10.2cm

小野祐次, Infantin Maria Teresa, Diego Velázquez, 2005, Gelatin silver print, image: 66.6x52cm, ed.12

米田知子, マハトマ・ガンジーの眼鏡 – 『沈黙の日』の最後のノートを見る
2003, gelatin silver print, image: 38x38cm, ed.8
1951年、大阪府大阪市生まれ。大阪市在住。1985年に初めてのセルフポートレイトの作品《肖像/ゴッホ》を発表する。それ以降、「わたし」という一貫したテーマを持ち、様々な題材で「なにものかに扮するセルフポートレイト」にまつわる作品を発表し続けている。制作はモチーフとなる人物/作品について、念密なリサーチとジオラマ、スタジオセットの作成、コスチュームやメイクなどの創作過程を通じ、独自の視点から対象に迫る。2018 年にはアーカイブや自主企画展示を見ることができるM@M(モリムラ@ミューシジアム)を設立。
主な展覧会に「Yasumasa Morimura and Cindy Sherman: Masquerade」M+(香港、2024)、「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」京都市京セラ美術館 東⼭キューブ(京都、2022)、「M式「海の幸」—森村泰昌 ワタシガタリの神話」アーティゾン美術館(東京、2021)、「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020––さまよえるニッポンの私」原美術館(東京、2020)、「Yasumasa Morimura. The history of the self-portrait」プーシキン美術館(モスクワ、2017)、「森村泰昌:自画像の美術史―「私」と「わたし」が出会うとき」国立国際美術館(大阪、2016)、「LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE 森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」資生堂ギャラリー(東京、2013)、「なにものかへのレクイエム—戦場の頂上の芸術」東京都写真美術館(東京)/豊田市美術館(愛知)/広島市現代美術館(広島)/兵庫県立美術館(兵庫)2010-2011 巡回 など。主な著作に『自画像のゆくえ』(光文社新書)、『美しいってなんだろう?美術のすすめ』(理論社)、『美術の解剖学講義』(ちくま学芸文庫)、『芸術家Mのできるまで』(筑摩書房) など。主なコレクションに 原美術館(東京)、金沢21世紀美術館(石川)、国立国際美術館(大阪)、京都国立近代美術館(京都)、東京都写真美術館(東京)、東京都現代美術館(東京)、Art Gallery of New South Wales (Sydney, Australia) 、Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía (Madrid, Spain), Museum of Modern Art (New York, USA)、San Francisco Museum of Modern Art (San Francisco, USA)、Whitney Museum of American Art (New York, USA) など。
1963年福岡県生まれ。1986年に大阪芸術大学芸術学部写真学科を卒業後渡仏、今日までパリを拠点にする。美術館に注ぎ込む自然光や微かな明るさの元で西洋絵画を写し出し、絵画と写真の関係性を再提起する「タブロー」シリーズ、人工光を受けて放出するシャンデリアを媒体に光の集合体を写し取る「ルミネソンス」シリーズを核として、写真というメディアの根幹を成す「光」の表現を探求し続けている。
主な個展に「Vice Versa – Les Tableaux 逆も真なり – 絵画頌」シュウゴアーツ (2018)、パリ市立写真美術館(2006)、グループ展に「光と影展」東京都写真美術館(2006)など。作品はパリ国立図書館、カルナヴァレ美術館、ヒューストン現代美術館、パリ市立ヨーロッパ写真美術館、フランソワ・ピノー現代美術コレクション、アライア・コレクション、上海美術館、東京都写真美術館に所蔵されている。
1965年 兵庫県生まれ、ロンドン在住。20世紀のイデオロギーをテーマに、徹底した対象へのリサーチを重ねる米田知子はこれまでに戦争や震災の傷跡が残る日本国内以外にもヨーロッパ、東欧、アジアなど幅広い地域において記憶が強く残る場所に訪れて制作を続ける。写真を通して土地やものに宿る歴史的真実に迫り、詩的な感性をたたえた情景の背後に幾層にも重なる記憶を呼び起こす。
主な展覧会に「氷晶」シュウゴアーツ(東京、2024)、「残響―打ち寄せる波」シュウゴアーツ(東京、2022)、「Tomoko Yoneda」マフレ財団(マドリッド、2021)、「アルベール・カミュとの対話」シュウゴアーツ(東京、2019)、第12回上海ビエンナーレ(上海、2018-19)、「アルベール・カミュとの対話」パリ日本文化会館(パリ、2018)、「ふぞろいなハーモニー」広島市現代美術館(広島、2015)/ Kuandu Museum of Fine Arts(台北、2016)、光州ビエンナーレ(光州、2014)、あいちトリエンナーレ(愛知、2013)、「暗なきところで逢えれば」姫路市立美術館(兵庫、2014)/ 東京都写真美術館(東京、2013)、「キエフビエンナーレ」(キエフ、2012);「Japanese House」シュウゴアーツ(東京、2011)、「終わりは始まり」原美術館(東京、2008)、第52回ヴェネチア・ビエンナーレ(ヴェネツィア、2007)、「震災から10年」芦屋市立美術館博物館(兵庫、2005)、「記憶と不確実さの彼方」資生堂ギャラリー(東京、2003)など。