近藤亜樹 オンラインショー「心に花を」

2020. 4. 25 Sat5. 30 Sat
シュウゴアーツ オンライン

人間が生まれてから色々な歴史があるように、さまざまな争いや飢饉が文化や医学を変え、さらに科学が発達し日常がどんどん変わってきたように、まさに今生きているこの瞬間もまた世界の常識は大きく変わろうとしています。

 

それでも明けない夜はないように、朝はいつでもやってきて、季節も変わり草花が芽吹き春がやってきました。世界中の人々が生きるか死ぬかで揺れている最中でも変わらないものがある。まるで厳しい冬の乗り越え方を教えられているようです。

 

人間は遥か昔から心の中にアートがあり、心を潤す音楽があり、心に花がありました。そのおかげで人々の心は豊かになり、人を助けたり思いやる余裕が生まれます。人の心を豊かにするものは、医学や科学の力のように目に見えるかたちで人の命を助けたりはできないかもしれません。けれども今日のように目に見えない不安と恐怖に怯え、生きるか死ぬかその二つの選択肢だけでは、人間はおかしくなってしまうでしょう。

 

今、心の栄養を沢山取ることは、今を生きて未来を作るためにとても大切なことだと、私は絵を描きながらそう思います。
今こそ想像力を育て、心に花を咲かせてください。

 

世界中の人々が健康で、一日も早く笑顔でハグができる日が来ますように。

2020年4月 近藤亜樹

近藤亜樹 オンラインショー「心に花を」

出品作品のより詳しい情報はこちらの作品カタログより是非ご覧下さい。

展覧会について

この度、シュウゴアーツは初めての試みとなるオンラインでの展覧会をお届けします。

2015年、近藤亜樹は東日本大震災で経験した悲しみを14,000枚以上の絵と実写による映画「HIKARI」を通して希望へと転じました。それから5年、その間に近藤亜樹はアーティストとして、個人として様々な出来事を乗り越えてきました。いま再びキャンバスに向かう近藤亜樹は、自己の絵画に信念を持ち、対象物へ愛情あふれる眼差しを注ぎ続けます。未曾有の事態に直面している私たちですが、このオンラインショーを通じてみなさんの心に飾られる絵が見つかることを願っています。

 

また下記の日程で映画「HIKARI」を配信します。

 

2020年5月2日-5月6日
オンライン特別全編上映 近藤亜樹「HIKARI」

 

参考資料: 松井みどり テキスト 「近藤亜樹映画 HIKARI について」2015年4月

企画:石井美奈子

展覧会情報

近藤亜樹 オンラインショー「心に花を」
会期

2020年4月25日(土) – 5月30日(土)

Aki KONDO | ShugoArts
近藤亜樹
Aki KONDO

1987年、北海道生まれ。山形県在住。近藤は力強い色彩と躍動感あふれる筆致であらゆる生命への希望や慈しみを描き続ける。「描くことは生きること」という近藤にとって、制作とは自らが見たい世界を描き出し、描くことで自己を認識するプロセスでもある。その創作はキャンバスやパネルにとどまらず、立体物や壁、天井といった空間全体にも自在に広がる。また、約14,000カットに及ぶ油彩アニメーションと実写を融合させた短編映画『HIKARI』では、脚本・監督・制作を手がけるなど、様々な表現活動で才能を発揮している。

 

主な展覧会に「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」水戸芸術館(茨城、2025)、「わたしはあなたに会いたかった」シュウゴアーツ(東京、2023)、国際芸術祭「あいち2022」(愛知、2022)、「星、光る」山形美術館(山形、2021)、作品集刊行記念展「ここにあるしあわせ」シュウゴアーツ/ フィリップス 東京/ 現代芸術振興財団(東京、2021)、「高松市美術館コレクション+ 身体とムービング」高松市美術館(香川、2020)、「心に花を」シュウゴアーツオンラインショー(2020)、「あの日を待つ 明日を待つ 今日」シュウゴアーツ(東京、2018)、「絵画の現在」府中市美術館(東京、2018)、「HIKARI」大和日英基金 大和ジャパンハウス(ロンドン、2016)、「HIKARI」シュウゴアーツ(東京、2015)、「近藤亜樹の生態」実家 JIKKA(東京、2013)、「PHANTOMS OF ASIA: Contemporary Awakens the Past」Asian Art Museum (サンフランシスコ、2012)など。2022年VOCA奨励賞受賞。