シュウゴアーツショー
展覧会について
今展においてはリー・キット本人が来日し、ギャラリーの一室にインスタレーションを行います。原美術館で開催した個展以来、日本では2年ぶりにまとまった新作を発表する機会となります。出身地である香港を起点とし、めまぐるしく変化する社会情勢の中でアーティストとしての活動をどう捉えるのか、リー・キットの現在の表現に我々も非常に注目しています。また別室にて藤本由紀夫による日本初公開の EARS WITH CHAIR、本年10月に東京オペラシティ アートギャラリーでの個展を控える千葉正也、VOCA展での展示がまたれるアンジュ・ミケーレによる作品が加わり、見所の多い展示となります。
2020 年 2 ⽉ シュウゴアーツ

LEF Kit. Eves in the mirror
2020, Acrylic, emulsion paint, inkjet ink and penci on cardhoard, 46 cm x 38.5 cm

LEE Kit, A river,
2020, Acrylic, emulsion paint, inkjet ink and correction fluid on paper, collage, painted photo frame, frame: 22.5 cm × 31.5 cm
展覧会情報
千葉正也、藤本由紀夫、リー・キット、アンジュ・ミケーレ
2020年2月8日(土) – 4月4日(土)
シュウゴアーツ
火〜土曜 11:00−19:00 (日月祝休廊)
石井美奈子
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、シュウゴアーツは3月31日(火) より六本木のギャラリースペースを当面のあいだ休廊いたします。アーティストや作品へのお問い合わせは電話およびメールにて随時受け付けておりますので、どうぞ遠慮なくお申し付けください。展覧会の再開等、今後の最新情報は弊社ホームページやSNSでも告知いたします。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解を賜りますようお願いいたします。
シュウゴアーツ
1980年神奈川県生まれ。東京都在住。千葉の作品は、自作したモチーフを繰り返し用いたり、取り巻く環境や過去の出来事から採取したイメージをキャンバス上に再現したりと、自ら選んだ対象に何度でも立ち返り、能動的に関わるプロセスを経て描かれる。卓越した技術力はモチーフに混在する様々な素材感を描き分け、現実らしく描かれた事物、純粋虚構、リアルの世界が交差する独自の複雑な世界観を作り上げる。千葉芸術は古今東西の絵画芸術の様々な成果に対する誠実な継承と同時に、既存の現代芸術の枠組みを絵画というメディアを駆使して揺さぶる大胆不敵な表現である。
主な展覧会に「The 11th Asia Pacific Triennial of Contemporary Art」Queensland Art Gallery & Gallery of Modern Art(オーストラリア、2024)、「横の展覧会」シュウゴアーツ(東京、2023)、「千葉正也個展」東京オペラシティアートギャラリー(東京、2021)、「アッセンブリッジ名古屋」旧名古屋税関港寮(名古屋、2019)、「αM 2018『絵と、』vol.4 千葉正也」GalleryαM(東京、2018)、「宇宙英雄ペリーローダンと私の生活」Art Center Ongoing(東京、2018)、「MAM コレクション006:物質と境界」森美術館(東京、2017)、「思い出をどうするかについて、ライトボックス風間接照明、八つ裂き光輪、キスしたい気持ち、家族の物語、相模川ストーンバーガー、わすれてメデューサ、50m 先の要素などを用いて」シュウゴアーツ(東京、2017)、「ふぞろいなハーモニー」広島市現代美術館(広島、韓国、台北、2015-2016)、「六本木クロッシング」森美術館(東京、2013)など。
1950年名古屋市生まれ、大阪市在住。大阪芸術大学で電子音楽を学び、エレクトロニクスを利用したパフォーマンス、インスタレーションを行う。80年代半ばに発表したサウンド・オブジェを皮切りに、アーティストとして独自の方向性を展開する。2001年、2007年にベネチア・ビエンナーレへ出品。作品を通じて聴覚や視覚に働きかけ、鑑賞者の認識を揺さぶり、知覚を拡張させる体験を創出し続けている。
主な個展に「BLOOM’S BROOM」シュウゴアーツ(2024)、「キュレトリアル・スタディズ12:泉/Fountain 1917-2017, Case 2: He CHOSE it. キュレーション:藤本由紀夫」京都国立近代美術館(2017)、「The Tower of Time」アイコンギャラリー(バーミンガム、2009)、「+/-」国立国際美術館(大阪、2007)、「関係」和歌山県立近代美術館(2007)、「美術館の遠足 1/10 – 10/10」(1997~2006)など。主なコレクションに 東京都現代美術館(東京)、国⽴国際美術館(⼤阪)、⻄宮市⼤⾕記念美術館(兵庫)、広島市現代美術館(広島)、兵庫県立美術館(兵庫)、原美術館 ARC(群馬)など。
1978年香港生まれ。台北を拠点に欧米アジア各地で滞在制作を行い活躍。プロジェクターによる光、映像、音、言葉やファウンド・オブジェなどのメディアを素材として用いながら制作される作品からは、常に絵画表現を先鋭的に拡張していこうとする意思が読み取れる。世界情勢に揺れ動いてきた都市、香港を出自にするリーは、同時代の社会や政治状況に問題意識を持って向き合っている。様々な土地の空気や感情を反映させたサイトスペシフィックな展示空間は、繊細な表現を通して観客に社会や他者との関係性を想起させる。
主な個展に「息をのむような虚ろな視線」シュウゴアーツ(東京、2023)、「Iʼll take (A).,」Hong-gah Museum(台北、2023)、「Lovers on the Beach」West Den Haag(デン・ハーグ、2021-2022)、「(Screenshot)」シュウゴアーツ(東京、2020)、「Resonance of a sad smile」 Art Sonje Center(ソウル、2019)、「僕らはもっと繊細だった。」原美術館(東京、2018)、「The Enormous Space」OCAT Shenzhen(深圳、2018)、「Not untitled」シュウゴアーツ(東京、2017)、「A small sound in your head」S.M.A.K(ゲント、2016)、「Hold your breath, dance slowly」ウォーカーアートセンター(ミネアポリス、2016)、「The voice behind me」資生堂ギャラリー(東京、2015)、ヴェネチアビエンナーレ香港代表(ヴェニス、2013)など。
1989年ヴェネツィア生まれ。京都在住。 西陣織の材料となる銀や金のアルミ蒸着紙を支持体に使用し、光の変化にうつりゆく絵画を発表している。「行為から描きはじめている」という身振りからはじまる制作は、形容し難い有機的で軽やかなかたちとして表れ、普段、私たちが目にしている現実とはことなる世界があることを教えてくれる。そして外の音が聞こえづらいアンジュの身体は、豊かな感覚を育み、自由で恐れのない筆使いを見せてくれる。
主な展覧会に「空円」シュウゴアーツ(東京、2024)、「光の中へ」代官⼭T-SITE(東京、2023)「イマジナリウム」シュウゴアーツ (東京、2020)、「VOCA2020」上野の森美術館(東京、2020)、「ヨコハマトリエンナーレ」横浜美術館 (横浜、2014)、「自由について」TRAUMARIS (東京、2011)、「愛の過現未」HIGURE17-15cas (東京、2009)、「Infanzia」CUBE GALLERY(ヴェネツィア、2005)