2019. 6. 1 Sat7. 6 Sat
シュウゴアーツ 六本木

展覧会について

シュウゴアーツでは6月1日より小林正人「画家とモデル」展を開催いたします。

 

古くは画家とモデルの関係性は「見る – 見られる」「描く- 描かれる」というものでしたが、時としてモデルはその状態を超えて画家の感性に触れ、見えないものに形を与える媒介的な役目を果たすこともあります。高校時代に愛する人物を描くため芸術の世界に足を踏み入れた小林にとって、モデルは創作の根源的な動機であり、また共同制作者であり続けました。 小林の作品は孤立した物体ではなく、この星の時空間に存在する絵画です。その一つの答えとして90年代に小林は長方形の枠を飛び出し、キャンバスを張りながら手で描くという絵画の魂と肉体を一つに合わせるような方法論を創出しました。また00年代からはひどい絵から美しい絵の境界線を拡張するような作品を数々生み出してきました。

 

2017年から制作を始めた今展では、後ろ向きに横たわり背中から心臓を撃ち抜かれたモデルと、筆を咥えて歯噛みをする馬(画家)がそれぞれ描かれ展示されます。両者の関係性は謎に満ち、決してハッピーエンドを迎えるものとも限りません。しかしその過程のなかで画家は現実と画を生き抜き、過去も現在も統合し美を結実させます。その行為は神秘的であり、ひとりでなし得ることが出来ないからこそ、小林はこの星に捧げる作品として画家とモデルをテーマに制作を続けます。 是非ご期待ください。

2019年5月 シュウゴアーツ

オープニングトーク「小林正人 × 大城カズ」記録動画 2019年6月1日(土)

展覧会情報

小林正人個展「画家とモデル」
会期
2019年6月1日(土) – 7月6日(土)
会場

シュウゴアーツ

開廊時間

火〜土曜 11:00−19:00 (日月祝休廊)

企画

石井美奈子

オープニングパーティー
日時

6 ⽉ 1 ⽇(⼟) 午後 5 時より

会場

シュウゴアーツ

オープニングトーク:⼩林正⼈ × ⼤城カズ
日時

6⽉ 1 ⽇(⼟) 午後 3 時より

会場

シュウゴアーツ

出版情報

自伝小説『この星の絵の具[上]』
Masato KOBAYASHI | ShugoArts
小林正人
Masato KOBAYASHI

1957年東京生まれ。1996年サンパウロビエンナーレ日本代表。1997年ヤン・フート氏に招かれ渡欧、以降ベルギー・ゲント市を拠点に各地で現地制作を行う。2006年に帰国、福山市・鞆の浦を拠点に活動。2017–2023年東京藝術大学教授。「存在することで少しも失墜しない絵画」を目指し、カンヴァスの布地を片手で支えながら擦り込むようにして色を載せ、同時に木枠に張りながら絵画を立ち上げていくという独自の手法を編み出した。 その状況でしか生まれ得ない作品形態と独自の明るさをもつ絵画を生み出し続けている。

 

主な個展に「自由について」シュウゴアーツ(東京、2023)、「この星の家族」シュウゴアーツ(東京、2021)、「画家とモデル」シュウゴアーツ(東京、2019)、「ART TODAY 2012 弁明の絵画と小林正人」セゾン現代美術館(長野、2012)、「この星の絵の具」高梁市成羽美術館(岡山、2009)、「STARRY PAINT」テンスタコンストハーレ(スウェーデン、2004)、「A Son of Painting」S.M.A.K(ゲント、2001)、「小林正人展」宮城県美術館(宮城、2000)など。主な著作に『小林正人 MK』(HeHe、2024)、『この星の絵の具[中]ダーフハース通り52』(アートダイバー、2020)、『この星の絵の具[上]⼀橋⼤学の⽊の下で』(アートダイバー、2018)。主なコレクションに、いわき市立美術館(福島)、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)、宇都宮美術館(栃木)、S.M.A.K. /ゲント市⽴現代美術館(ゲント)、東京国⽴近代美術館(東京)、東京都現代美術館(東京)、宮城県美術館(宮城)など。