ShugoArts

丸山 直文
朝と夜の間

2005年11月11日(金)− 12月17日(土)


丸山直文 Naofumi MARUYAMA
day and night
2005, acrylic on cotton, 260x130cm

シュウゴアーツでは丸山直文の新作展を開催します。作家は1964年新潟県生まれ。1990年Bゼミスクーリングシステム修了。90年代初期に新世代ペインターの旗手としてデビュー。以来、常にひとつの作風に留まることなく継続的に制作・発表を続けています。約2年間のベルリン滞在を経て、近年では2002年の台北ビエンナーレを皮切りに、2003年森美術館「ハピネス」展、2005年同美術館「秘すれば花」展などに出品し、高い評価を集めています。

朝と夜の間朝と夜の間朝と夜の間

 丸山は綿布を水に浸し、アクリル絵の具を染み込ませながら描くステイニングという技法を用いてペインティングを制作しています。アクリル絵の具の鮮やかな色彩が輪郭を持たずに広がる作品からは、感覚的な美しさばかりでなく、一度色をおくとやり直しが効かないという技法上の制限のため、計算された緊張感のある構成が共存します。画面には時に抽象的で物語の一場面のような既視感のある風景が描かれますが、見たことがあるようでその実どこにもない風景を描くことで、作家がイメージ再現の実体のなさを諦め、具象と抽象の境界をより曖昧にさせる事への意識がみて取れます。 
 具象絵画のもつナラティブな問題より、日々の感情が持つ視覚そのものに興味があると作家は云います。自己の中に持ちうるあらゆる要素…モチーフ、色彩、線などを吟味し、それをどのような方法ででも絵画として成立させられるということを証明しようとすること。例えば矢印を描かず人物の顔の向きだけで方向は暗示できる訳です。それはとてもリアルなことであり、見る者の感情によって受け取られ方が変化していくという自明なことを、いかに「絵画」という透明な骨組みの中で成立させていくか。その点丸山の絵画空間に於いては、蝶の羽の角度ですら必然的に選択されるものであるということが、綿密に施された構成に美しく指し示されているのです。視覚メディアの発明合戦がスピードを加速させて展開していく現代、丸山の絵画には要素が瞬間的に編まれ、成立するというペインティングが持つ強度を、我々に提示しているのです。

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