ShugoArts

米田知子
モノクロームの仕事 1996 – 2003

2006年5月9日(火)− 5月27日(土)


米田知子 Tomoko YONEDA
フロイトの眼鏡 – ユングのテキストを見る I
1998, gelatin silver print, 120x120cm, ed.5

シュウゴアーツでは米田知子の初期作品による「モノクロームの仕事 1996-2003」を開催します。米田は1965年兵庫県明石市生まれ。1989年イリノイ大学シカゴ校芸術学部写真学科卒業、1991年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートを修了後、現在はロンドンを拠点に活動しています。主な個展に2003年「記憶と不確かさの彼方」展、資生堂ギャラリー。2005年、作家の出身地でもある神戸市内の1995年の震災直後と10年後を撮影した「震災から10年」展を芦屋市立美術博物館にて開催。同年9月には政治的に抑圧された歴史を持つエストニアとハンガリーを撮影した「雪解けのあとに」をシュウゴアーツにて開催しました。グループ展では、2004年横浜美術館での「ノン・セクトラディカル」展に参加。また2005年には「横浜トリエンナーレ2005」へ参加するなど、近年より精力的に活動に脚光が浴びてきている作家のうちのひとりです。

モノクロームの仕事1996-2003モノクロームの仕事1996-2003モノクロームの仕事1996-2003

米田の作品は「記憶」と「歴史」をテーマに制作されています。今回展示される「トポグラフィカル・アナロジー」というシリーズの最初のものは、既にある状態にひとつ何かの要素を加え、特定のシチュエーションを奮起させるもの。鑑賞者は自身の記憶をひもとき、与えられた情況に物語を読み込もうとします。その後米田は解体されてしまう住居の壁を撮影、はがれかけた壁紙、ヒーターの煤の跡などから、そこにかつて住んでいた人や営まれていた生活の痕跡を見出そうとするものへ移行していきます。不特定多数の記憶が個人のものに移る瞬間、それは確かな存在感となり各々の胸に残るのです。
「見えるものと見えないもののあいだ」のシリーズは、19~20世紀に活躍した知識人が使っていた眼鏡を通して、その人の人生における重要な意味を持つ文章を撮影したものです。ここで米田は偉人たちの個人の記憶が、歴史の記憶に移ることによって個人のもつ歴史は解体され、新たなる歴史や記憶は常に更新されていくものではないかと…不確実な記憶を抱えて生きることの意味を、作家は見るものに問いかけているのかもしれません。

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