ShugoArts

森村泰昌
なにものかへのレクイエム: 外伝

2010年3月11日(木)− 4月28日(水)


森村泰昌 MORIMURA Yasumasa
なにものかへのレクイエム(創造の劇場/黒いアンディ・ウォーホルとしての私)
A Requiem: Theater of Creativity/ Self-portrait as Black Andy Warhol
2010, gelatin silver print, 120x90cm, ed.10

現在私たちは21世紀を生きています。しかしこの21世紀は、かつて人々が想像していたような夢の世紀ではないようです。前の世紀である20世紀をブルドーザーで更地にして、20世紀的記憶を忘れ、その上にどんどん21世紀が出来上がってきつつあるように思います。私はここでいったん歩みを止めて、「これでいいのか」と20世紀を振り返りたいと思いました。過去を否定し未来を作るのではなく、現在は過去をどう受け継ぎ、それを未来にどう受け渡すかという「つながり」として歴史をとらえたい。そしてこの関心事を私は「レクイエム=鎮魂」と呼んでみたいと思いました。レクイエムとは、過ぎ去ってしまった人や時代や思想に対する敬意の表明です。しっかりとそれらを記憶に残す儀式です。「私はあなたを忘れません」ということの証としてのレクイエム。
森村泰昌(東京都写真美術館のインタビューより)

シュウゴアーツでは森村泰昌の個展“「なにものかへのレクイエム」外伝” を開催いたします。
3月11日より東京都写真美術館をかわきりに、豊田市美術館、広島市現代美術館、兵庫県立美術館を巡回する大規模な展覧会 “なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の旗”が開催されます。
シュウゴアーツではもう一つのレクイエム展として、20数点のポラロイド写真作品と、美術館では見られない初公開の作品を展示いたします。レクイエムシリーズの全四章、それは三島由紀夫に始まり、数々の報道写真、レーニンやチェ・ゲバラなどの革命家の肖像やピカソやウォーホルといった20世紀の芸術家達、そして1945年という歴史の分岐点-硫黄島に立つ星条旗に模した、戦場の頂上に立つ真っ白な旗-をもって完結します。20世紀という急速に忘れ去られようとする時代が一人の芸術家によって体現され、そして未来への手がかりとして発表されます。

その制作の現場で撮影されたポラロイド写真は、あるものはその制作の過程を、またあるものは完成された作品とほぼ同じイメージを宿しています。それらは私たちに、森村がその歴史的な事件や偉人に「なる」瞬間、そして森村の想像力と思考の手がかりを伝えてくれます。まさにそれは私たちが“創造の現場”に立ち会うことを意味します。大型作品としてアンディ・ウォーホルやサルバトール・ダリなどの20世紀の芸術家を題材とした初公開の写真作品を展示いたします。これらの作品は美術館で映像として発表される作品と深く関連づけられています。写真と映像、静止画と動画という二つのメディアで“動く絵画”、“溶ける写真”など独自の解釈によって作品を発表してきたモリムラならではの表現方法です。この展覧会をもって真にレクイエム展が完結すると言えるでしょう。

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1951年大阪府生まれ。1985年よりセルフポートレイトの作品製作を開始。代表作に古今東西の名画を題材にした「美術史の娘」シリーズ、映画の登場人物を題材にした「女優」シリーズ、フリーダ・カーロを題材にした「私の中のフリーダ」やスペインの巨匠ゴヤの版画集「ロス・カプリチョス」を題材に現代諷刺を展開した「ロス・ヌエボス・カプリチョス」など。主な個展に1990年 美術史の娘(佐賀町エキジビット・スペース)、1996年 森村泰昌 美に至る病-女優になった私(横浜美術館、ルーリン・オーガスティンギャラリー)、1998年 [森村泰昌 空装美術館]絵画になった私(東京都現代美術館、京都国立近代美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館を巡回)、2001年 私の中のフリーダ/森村泰昌のセルフポートレイト(原美術館、他海外を巡回)、2007年 森村泰昌:美の教室、静聴せよ(熊本市現代美術館、横浜美術館を巡回)、森村泰昌:20世紀へのレクイエム/荒ぶる神々の黄昏(Galleria di Piazza San Marco /ヴェネツィア、 ルーリン・オーガスティン・ギャラリー/ニューヨークなど)。主なグループ展に1988年 第43回ヴェネチアビエンナーレ(ヴェネチア)、1996年Hugo Boss Prize 1996(グッゲンハイム美術館ソーホー/ニューヨーク)、2000年 第3回光州ビエンナーレ特別展 Human and Gender(光州)、2008年 釜山ビエンナーレ2008(釜山)、など。

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